本文へスキップ

宮古島 2025年夏 Day 3

Day 3: 島尻のマングローブと史跡、念願のゴーヤチャンプルーとオハマブルー

2025年7月28日

草木越しに広がるオハマビーチの宮古ブルー。台風一過とは思えない鮮やかなエメラルドグリーン

Day 3 を一言で言うと、島尻という一つのエリアを「史跡 → マングローブ → 食 → ビーチ」という4つのレイヤーで使い切った日でした。「四島の主の墓」という名前の重さに惹かれて組み込んだ史跡、宮古島で唯一の天然記念物であるマングローブ林、2024年に売り切れで食べ損ねたゴーヤチャンプルーをようやく注文できた海美来、そして去年と同じ青さで迎えてくれたオハマビーチ──観光ガイド的にはバラバラに見えるかもしれないこの4つが、同じ島尻ドライブの中で「生き物観察」と「伏線回収」という2本の裏テーマで自然につながっていく構造を持っていた、というのが振り返ったときの一番強い印象でした。

この日の予定

時間帯内容
午前四島の主の墓 → 島尻のマングローブ林
海美来でゴーヤチャンプルー+元祖紅いもち
午後オハマビーチで宮古ブルーと生き物散策

① 四島の主の墓

事実メモ

  • 場所: 四島の主の墓(島尻エリアの史跡)
  • 構造: 琉球石灰岩の石積み、苔と草に覆われた遺構
  • 性格: 観光地化された派手さはなく、説明板と石積みだけ
  • アクセス: 駐車場なし、現地までの道が非常に細い

ここを行程に組み込んだ動機は、純粋に名前に強烈なインパクトがあったことでした。「四島の主の墓」──宮古島・伊良部島・多良間島・八重山の四島を統治したと伝わる人物の墓、という説明を一目見て、これは行っておくべき種類の場所だと素直に思ったのが入口です。

ただ、現地まで車を走らせた道のりは、率直に言ってGoogleマップの案内だけが頼りの、道中ずっと不安なドライブでした。標識はあっても道は非常に細く、対向車が来たらすれ違えないような区間もあります。「本当にここで合っているのか」と何度か思いながら徐行で進み、ようやく石積みに辿り着いたときには、史跡そのものより先に「無事に着いた」という安堵が来た、というのが正直なところです。

そのうえで石垣の前に立つと、真夏の宮古島らしい強い陽射しの中なのに、この場所だけは別の温度を持っているのがわかります。苔と草に覆われた琉球石灰岩の石積み、説明板、それ以外は何もない。そして一番強かったのが、「あまり滞在し過ぎるのも憚られる」空気感でした。神聖さの種類が、観光客として向き合うものではなく、静かに一礼して通り過ぎるべきものに近い。15分ほどでその場を辞したのは、所要時間というよりも、その空気に促されての退場だった気がします。

緑に覆われた琉球石灰岩の石積みと「四島の主の墓」の説明板。観光地化されていない静かな遺構

四島の主の墓の記事

② 島尻のマングローブ林

事実メモ

  • 場所: 島尻のマングローブ林(宮古島唯一の天然記念物マングローブ群落)
  • 構造: 想像より広い林内、木製ボードウォークと橋が整備されている
  • 観察対象: 気根(呼吸根)、鮮やかな赤色のシオマネキ類、野鳥
  • 必携: 虫除け(蚊が非常に多い)、駐車場は広め

四島の主の墓から島尻エリアにそのまま残って、次に向かったのが島尻のマングローブ林でした。組み込んだ動機はシンプルで、史跡と動線フィットしたから。同じ島尻エリア内なので、一度のドライブで両方を回収できる構成です。

歩いてみると、ここはマングローブ林という生態系そのものが初体験でした。木製のボードウォークが林の中をずっと続いていて、進むにつれて林が密になり、空気が湿気を帯びて温度も少し下がっていく。「南国に来たんだな」という実感が、青い海ではなくこのマングローブの林で一番くっきり輪郭を持って立ち上がってきた、というのが思いがけない手触りでした。陸を歩いているのに、確実に別のレイヤーに足を踏み入れた感覚があります。

島尻のマングローブ林。整備されたボードウォークの先に広がる林と干潟、密に茂った木々

ボードウォークから干潟を見下ろすと、泥の中から無数の気根が突き出していて、その間を鮮やかな赤色のカニが素早く動き回っていました。ベニシオマネキの仲間と思われるこのカニの赤さは、これまで見てきたどのカニとも違う種類の色で、「こんな赤いカニがいるのか」と純粋に色そのものを楽しんでしまうレベルでした。マングローブ林という新しい体験と、初めて見る色のカニ、という二重のフレッシュさが、Day 3 のドライブの最初のピークになっていました。

干潟を素早く動き回る鮮やかな赤色のシオマネキ類のカニ。これまで見たどのカニとも違う色

島尻のマングローブ林の記事

③ 海美来でゴーヤチャンプルー(念願の伏線回収)

事実メモ

  • 店: 海美来(オハマビーチそば、お土産販売+食事処)
  • 念願度: 2024年は売り切れで食べられなかったゴーヤチャンプルーを今回ようやく
  • 注文: ゴーヤチャンプルー定食(ご飯+ミニ宮古そば付き、リーズナブル)
  • 帰りに: 元祖 紅いもちもテイクアウト
  • 立地: 窓の外にオハマビーチを望める

海美来は2024年にも訪れていて、そのときのゴーヤチャンプルー売り切れ事件が今回の島尻ドライブの裏目的になっていました。ただ、「人気商品とのことだからまた売り切れているだろうな」と、正直あまり期待はしていなかったのが本音です。だから席に案内されてメニューを開き、ゴーヤチャンプルー定食を普通に注文できた瞬間は、リベンジというよりも純粋な感激のほうが先に来た、というのが正しい温度感でした。

海美来のゴーヤチャンプルー定食。島豆腐とゴーヤと卵をしっかり炒め合わせた一皿に、ご飯とミニ宮古そばが付く

運ばれてきた定食を一口食べると、本場のゴーヤチャンプルー、と贔屓目に見てもかなり美味しい一皿でした。ゴーヤ・島豆腐・卵がきちんと炒め合わさっていて、リーズナブルさを言い訳にしない丁寧な仕上がり。窓の外には、これから降りていく予定のオハマビーチの宮古ブルーが広がっていて、「2024年に食べられなかったやつを、目当てのビーチを見下ろしながら食べている」という構図が、この一食をただの昼食以上のものにしてくれていました。

そしてもう一つ、帰りがけに買って食べた元祖 紅いもちが、今回のもうひとつのハイライトでした。ごまをまぶした丸い餅を一口割ると、中から鮮やかな紫色の紅芋あんが出てくる──見た目の鮮やかさ、味、そして価格、その全部が素晴らしい商品で、おそらく宮古島で出会ったテイクアウトスイーツの中で、コスパまで含めた総合点では今回の旅で一番だったと思います。

元祖 紅いもち。ごまをまぶした丸い餅を割ると中から鮮やかな紫色の紅芋あんが現れる

海美来の記事

④ オハマビーチで宮古ブルーと生き物散策

事実メモ

  • 場所: オハマビーチ(海美来の横、細道に砂の急坂あり)
  • 海色: 草木越しに広がる宮古ブルー、沖へ伸びる桟橋
  • 性格: 観光化されていない素朴なビーチ、泳ぐより生き物散策向き
  • 観察対象: ヤドカリ・カニなど

オハマビーチに降りたのは、選択というよりほとんど確定事項でした。2024年に海美来へ来たときに一度足を運んでいて、そのときに見た海が素直に綺麗だったので、今回もここまで来た以上「行かない選択肢はなかった」というのが正直なところです。食後に窓越しに見えていた海をそのまま見に行く、というシンプルな動線でもあります。

砂の急坂を慎重に下って、細道の先で視界がひらけた瞬間に、「台風一過なのにこの青さか」という驚きが先に来ました。Day 2 のパイナガマでは曇り空越しの静かな海を見ていたので、同じ「台風直後」という条件のはずなのに、ここではエメラルドグリーンの宮古ブルーが草木の緑越しにしっかり広がっていて、たった1日で海の表情がここまで変わるのかという落差が、この日の山場の一つになっていました。

オハマビーチの沖へ伸びる桟橋と、波に洗われる岩。素朴でローカルな海岸の風景

オハマビーチは泳ぐ用に整備されたビーチではなく、岩混じりで沖へ桟橋が伸びる素朴な海岸です。なのでここでの過ごし方は、ヤドカリやカニを探しながら散策するという、Day 3 のマングローブ林からつながる「生き物観察ドライブ」の延長線でした。マングローブで赤いカニ、オハマでヤドカリ、と生き物観察が島尻ドライブの裏テーマとして一日通して回収されていく流れが、Day 3 の構造としていちばん気持ちよかったところです。

オハマビーチの記事

この日を一言で

やっと食べたゴーヤチャンプルーと、去年と同じ青さのオハマ。